計測ネットサービス株式会社

基礎知識 2024.08.29

NETIS(新技術情報提供システム)について概要やメリットを解説

     

NETISについて制度の概要、活用によるメリット登録製品をご紹介

NETISのイメージ画像

NETIS(新技術情報提供システム)は、建設業界における新技術の活用を促進するためにスタートした制度です。
この記事では、NETISの概要や活用の具体的なメリット、そして計測ネットサービスのNETIS登録製品について紹介します。
建設現場での省人化、省力化、効率化やコスト削減、入札における優位性など多くの利点をもたらすNETISを正しく理解して、業務にお役立てください。

NETISとは

NETISとは、新技術情報提供システム「New Technology Information System」の頭文字をとった略称で、国土交通省が運用するデータベースシステムを指します。
公共工事等において新技術の活用を促進することに加え、技術の情報提供・共有を目的として整備されました。
以下のサイトにアクセス
することで、誰でも情報の検索・参照ができます。

NETIS制度の目的

NETIS制度は、公共工事等の技術水準をより一層高め、新技術の活用に対するハードルを下げることを目的としています。
NETISのデータベース内では新技術に対する情報が常に最新の状態で共有されており、技術の活用によって得られる効果は定期的な評価会議で見直しが行われます。
平成13年からインターネット上で情報の一般公開を開始し、平成18年からは実際に新技術を活用した事業者による「事後評価」に重点をおいた運用へと切り替えられたことで、より具体的な効果検証と技術のスパイラルアップが図られています。

NETISの概要、流れがわかるもの

NETIS制度がスタートした背景

近年の建設業界における人材不足に加え、高度成長期以降に作られた道路・橋・トンネルなどのインフラの多くが建て替えや大規模補修の時期を迎えています。このことから、新技術の導入によって建設業界の業務効率化が求められています。
令和2年度からは、国土交通省の直轄工事においてNETIS登録技術の活用が「原則義務化」されました(令和5年度に一部内容を改定)。地方公共団体や各省庁の案件においても、NETIS登録技術を採用した工事計画を立てて書類を提出すると、工事成績評定で加点対象となります。
NETIS登録技術を積極活用する施工業者は、高品質な施工実績を持つとして以降の入札が有利になるという利点もあります。


NETISを活用するメリット

NETISを活用することで、一体どのようなメリットが得られるのでしょうか。
以下では建築業者・施工業者の双方のメリットをまとめました。

NETIS登録者(技術開発者/建築業者)側のメリット

建築業者がNETISに自社の技術を登録することによるメリットは、以下の通りです。

・新技術のアピールができる

・第三者の評価を受けることで新技術の信頼性が増す

・さらに新技術が活用されるチャンスが増える

NETISに自社の新技術を登録すると、技術の知名度が上がるのはもちろん、会社としての信頼度向上にもつながります。
さらに、NETISのシステムを通して技術が高く評価されると、ますます広く活用が促進されて技術のさらなる改善・発展が期待できるでしょう。

NETIS利用者(施工業者)側のメリット

NETIS上で公開された技術を利用する側(施工業者)が得られるメリットは、次の通りです。

・施工コストの削減や工期短縮ができる

・施工業者としての評価がアップする

・入札で加点対象となり、有利になる可能性がある

最新技術を活用することで、作業の効率化が進み工期短縮・コスト削減の効果が期待できます。他社よりも効率良く工事を進められれば、施工業者の評価アップにもつながります。
加えて、地方公共団体等の案件でNETISに登録されている技術を用いた計画立案を行い、必要書類を提出すると工事成績評定において加点対象となります。これにより、以降の入札でも施工業者が有利になるという大きなメリットがあります。


NETISの登録番号・識別記号の意味

NETISには「登録番号」と「識別番号」が存在します。番号を見れば、全国のどこのエリアでいつ頃に登録された技術なのか、そしてその技術は現在どのようなステータスにあるのかがわかります。
以下ではNETISの登録番号・識別番号の読み方を解説します。

NETIS登録番号の読み方

NETISの登録番号とは、アルファベット2文字から始まり、その後に続く数字6桁の部分までを指します。

例:HR-190013-VR

冒頭のアルファベット2文字は地方整備局を指します。上記の例にある「HR」は北陸地方整備局を表し、その後の数字2桁は技術が登録された年度の西暦下2桁です。そして残りの数字4桁は、該当の整備局で技術が登録された順番を表します。
つまり、上記の例は「北陸地方整備局において、2019年度に13番目に登録された技術」であると読み取れます。

NETIS識別記号の意味

登録番号・識別番号の意味がわかるもの

NETISの識別記号とは、末尾のハイフン以降にあるアルファベット1文字または2文字の部分です。全部で5種類存在するそれぞれの意味について、詳しく解説します。

NETIS「A」

登録申請から時間が経っていない技術が「A」に該当します。「A」の技術がNETISへ掲載される期間は、登録の翌年度から10年間です。技術が実際の公共工事等で活用されたうえで評価情報が掲載されると、識別記号は「VR」「VE」のいずれかに変更され、掲載期間は最大15年まで延長となります。

NETIS「VE」

公共工事等で技術を活用した際の効果が評価され、継続調査の必要がないと判断された技術が「VE」です。NETISへ掲載される期間は登録の翌年度から10年間。多くの人が実際に技術を使い、とても良いと評価したものが「VE」に指定されます。

NETIS「VR」

技術の効果検証において、継続調査が必要と判断されたものが「VR」です。NETISへの掲載期間はVEと同じく10年間で、継続調査によって良い評価が蓄積すると「VE」に指定されます。つまり「VR」は、これから成長の余地がある期待度の高い技術といえます。

NETIS「AG/VG」

NETISでの掲載期間が終了した技術です。期間が過ぎるとNETISのデータベース上の情報は非公開となるため、検索・閲覧ができなくなります。


NETIS登録製品のご紹介

計測ネットサービスでは複数のNETIS登録製品を保有しています。その中で主な4つについて概要をご紹介します。

3次元変位計測システム DAMSYS 【NETIS登録番号:KT-230145-A】

DAMSYS -ダムシス-は、指定した計測ポイントを自動で24時間・無人稼働によって監視できるシステムです。2024年3月、新たにNETISを取得しました。 自動視準トータルステーションやGNSSアンテナ・受信機を使用して3次元座標を取得し、計測ポイントの地盤や既設構造物の挙動・変位を計測できます。近接工事による橋梁や鉄道への影響監視、法面・ダムの長期間にわたる動態観測等、幅広い現場で活用可能です。計測データはWEBブラウザに表示されるため、遠隔地からの確認も容易です。

施工領域3Dモニタリングシステム 3Dバリア® 【NETIS登録番号:KT-230340-A】

3Dバリアは、クレーンの先端や吊り荷等に設置したGNSSアンテナにより、クレーンの位置情報をリアルタイムで計測・モニタリングします。2024年4月、新たにNETISを取得しました。
従来、クレーンの接触管理は目視による監視で行われてきました。しかし3Dバリアの利用により、クレーンの作業可能エリア・作業禁止エリアを「高さ」「幅」「奥行き」の3次元データで計測し、危険エリアへ侵入した場合は表示灯とブザーで危険をお知らせします。天候による影響を受けず稼働が可能なため、現場の安全性向上を支援します。

杭打設管理システム パイルナビクラウド-V 【NETIS登録番号:KT-220168-A】

パイルナビクラウド-Vは、杭の位置と傾きをリアルタイムで計測し、杭打設の施工精度の向上に貢献します。
杭の打設時に、ノンプリズム計測機能を持つトータルステーションによって杭の上下2点ずつを計測し、偏心量を算出します。あらかじめ設計値を登録しておけば、実測値との差異をその場で確認しながら打設作業を進めることが可能です。 関連システムである「パイルナビクラウド-P」ではGNSSを用いて杭芯の位置情報を計測し、杭打機を打設位置まで誘導することができます。また、「パイルナビクラウド-S」ではノンプリズム計測でシートパイルの上下2点を計測し法線の出入りと鉛直を管理することが可能です。傾きをビジュアルで表示し、護岸工事や橋梁下部の鋼矢板の施工等で活用できるシステムです。

計測統合クラウドサービス K-Cloud 【NETIS登録番号:KT-160109-VE】

K-Cloudは、ひとつの画面で現場の計測センサーを一元管理できるプラットフォームです。
トータルステーション・GNSS・レーザー距離計をはじめとする測量機や、気象(温度・湿度・風向風速・雨量)、WBGT、騒音、振動、水位などの測定器から送られるデータの管理・モニタリングが可能で、ひとつの画面にまとまっているため他のソフトと行き来する手間がありません。また、画面レイアウトはお客様の現場に合わせてカスタマイズできます。収集したデータは帳票出力にも対応しており、書類作成に必要な情報を瞬時にグラフ化します。


まとめ

NETIS(新技術情報提供システム)は、公共工事において新技術の活用を促進し、技術情報の提供・共有を目的としたデータベースです。
NETISの活用によって、登録者(建築業者)は自社の技術力をアピールすることが可能となります。またNETISの利用者(施工業者)から見れば、現場作業の効率化やコスト削減・入札での優位性獲得といった多くの利点を得られます。
これからの建設業界で市場競争力を高めるには、NETISの最新情報を常に把握し、適切に活用することが不可欠です。
ぜひ今回ご紹介したNETISの概要やメリットなどを参考にして、NETIS掲載技術を使ったより良い建設プロジェクト実現に向けての第一歩としてください。

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